農家レストランで いただきます。ごちそうさま。

第7回 幸せがすくすく育つみんなの「しゃえんじり」
やっぱり西土佐
しゃえんじりの献立

平成17年に中村市と西土佐村が合併して「四万十市」が誕生してしばらく経つが、やっぱり西土佐には「市」よりも「村」の名の方が似合う気がする。「農家レストランしゃえんじり」に足を運んで、その思いはいっそう強くなった。平成16年4月、この地に暮らす男性4名、女性7名が「地域で仕事をつくろう」「地域を元気にしよう」という思いから、「地域づくりの会しゃえんじり」を結成した。しゃえんじりとは、幡多地域の方言で野菜畑を意味する。メンバーたちは活動の一環として、村(当時)が主催した猪と鹿肉を使った料理コンテストにオリジナルの鹿肉のつくねあげを出品。見事、金賞に輝いた。その時に得た賞金5万円をもとに、注文による料理づくりをスタート。やがてそれが「金曜日はお弁当の日」と決めた週1回の固定営業となり、さらには平成17年、ランチタイム営業の農家レストランヘと発展した。建物は、子どもが少なくなったことから閉鎖された地域の託児所を借り受け、メンバーの男性陣が中心となって改装工事した。レストランの開業は、折しも、村が市に組み込まれるのと時を同じくしたが、「しゃえんじり」の考え方、取り組み、そしてメンバー同士の結束は、村時代と変わることはない。

村の幸をブッフェスタイルで
しぇんじりのご飯

レストランの実質的な運営は、女性メンバーたちが中心となって行う。農業をしている人もいれば、専業主婦の人もいるが、みなで時間をやりくりし、1日3人が交代で調理と接客を行っている。バイキングにすることで人手の少なさはカバーできたが、「場所が場所だから日によって来られるお客様はまちまち、料理が足りんよと慌てる日もあれば、いっぱい余らせて近所の方に買ってもらう日もあります」と苦笑するのは、最近、しゃえんじりの二代目リーダーになった平塚聖子さん。この日は聖子さんと前リーダーの岩本久子さん、そして市原一姫さんが当番になっていた。お昼前、ちょうど準備のピークタイムだったので、話もそこそこに忙しなく手を動かしている。

桜入り寒天デザート
そうこうするうちに次々と大皿にのった料理が運ばれてきた。この日の献立は、川海老のそうめんと五目寿司、淡竹や山菜の天麩羅、アマゴの南蛮漬け、柚子の皮を炊いた柚香。それからサラダや和え物、煮物がいっぱい。ご飯は古代米(黒米)と、香り米を混ぜた白米の2種類。「エンドウのある頃はエンドウの豆ご飯にしたり、トウモロコシができるときびご飯になったり」する。たくさんの品数を用意するため、戦闘開始は毎朝8時頃。開業までの3時間で、それぞれの得意料理をてきぱきと作っていく。「もともとここを始めるきっかけに、よそから来られた方が『ここら辺には食べるところがないね』って言われているのを耳にしたことがあります。だから地元のものを使って、普段食べているようなものを手作りするのは、もう外せない条件。でも、自分たちにとってはご馳走でも何でもない献立なのに、「美味しい』『珍しい』と喜んで頂くのは、嬉しくもあり、くすぐったくもありますね」と聖子さん。今まで気づかなかった西土佐の土地の豊かさを、メンバーが感じることができたのは大きな収穫だった。

幸せ育つしゃえんじり
野菜畑

時にはお客様から「おばちゃーん、天麩羅少ないよー。早く揚げてー」などとハッパをかけられることもあるが、それもご愛嬌。「実はね…」と名誉リーダー(?)の久子さんが口を開いた。「最初はみんなでお小遣いが欲しいなぁ言うて始めたのよ」。聖子さんはそれを受け取って「笑い話みたいだけど、ほんとにお小遣いというかね、自分たちで仕事を作ろうというのも大きかったの。でもお陰でお金だけじゃない、いろんなものを得られたかも」と話す。 野菜畑(しゃえんじり)はいろんな作物を育てる場所。この「しゃえんじり」も、出会いや生き甲斐やみんなの結束や…いろんな幸せを育ててくれたようだ。

地図
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しゃえんじり

高知県四万十市西土佐口屋内76
電話/0880-54-1477
11:00〜14:00(オーダーストップ)
水曜休
ランチバイキング1,000円、小学生700円、幼児300円
駐車場あり


掲載日:2008年8月20日
提供:四国旅マガジン GajA