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【黒沢(くろぞう)湿原】
池田町の中心部から車で約30分ほどのところにある黒沢(くろぞう)湿原は、海抜約550mの高地にあり、南北約2km、東西100〜300m面積40haの四国最大の山頂湿原です。周囲をアカマツ林に囲まれ、細長く入り組んだこの沼沢盆地には、サギソウやキセルアザミ、食虫植物などの珍しい湿原植物が数多く群生していて、昭和40年に「黒沢湿原植物群落」として徳島県の天然記念物に指定されています。黒沢(くろぞう)という地名は、黒い土と沼沢(しょうたく)に由来したものといわれています。
この湿原は、粘土層の上に火山灰や腐植土が3〜4mも堆積してできています。かつては沼でしたが、現在は水の減少と堆積の進行により、深い沼地はほとんど見られなくなっています。黒沢は350年ほど前から入植者によって開拓され、水田として利用されていました。もともと深い沼地であったため、木材でいかだを組んだり、田舟を使うなど、大変な苦労を強いられたそうですが、過疎化の進行とともに次第に米作は減少し、平成に入ってすべて放棄されています。
【湿原植物の宝庫】
黒沢湿原には、古くからオオミズゴケが生育していて、これが湿原植物群落の発達を促したといわれ、サギソウをはじめ四季折々の珍しい草花の自生地として知られています。200種類以上もの植物が確認されていますが、中でも最も代表的なものがサギソウです。サギソウはランの一種で、7〜8月にかけて開花します。名前のとおりシラサギが羽を広げて飛ぶような優雅さから、湿原の女王と呼ばれます。徳島県ではここが唯一の自生地となっています。
一方、6〜7月にかけて開花し、クリの毬(いが)に似た実をつけるヒメミクリや、この湿原に多く見られるミヤコアザミは、四国では黒沢で初めて発見され、かつ四国唯一の自生地です。ミヤコアザミは8〜9月にかけて直径8mmほどの濃赤紫の花を咲かせます。そのほか、ウンヌケ、ナガバシラヤマギクなど四国では黒沢にしか自生しないものや、スイレン科のヒツジグサ、食虫植物のイシモチソウやモウセンゴケなどの稀少植物も多く目にできます。
【たびの尻滝】
黒沢(くろぞう)湿原の水は南端に集まって小さな谷となり、やがて滝となって流れ落ち、はるか下流の松尾川に注ぎます。これがたびの尻滝です。水量はさほど多くはありませんが、黒味をおびた岩の上を流れ落ちていく美しい景色が楽しめます。
【近隣スポット「命の水たたえる四国のへそっ湖・池田湖」はこちら↓】
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