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古き良き「日曜洋画劇場」の時代【帰来雅基のシネマな生活】

掲載日:2012/04/11

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中学から大学にかけての多感な少年時代、すでに映画雑誌「スクリーン」を定期購読するほどの映画ファンだった僕にとって、映画を自宅のテレビで見るという事は夢のような出来事だった。

テレビで映画を見るということ

中学から大学にかけての多感な少年時代、すでに映画雑誌「スクリーン」を定期購読するほどの映画ファンだった僕にとって、映画を自宅のテレビで見るという事は夢のような出来事だった。その意味で、映画館へ行って入場料を払って見なくてはならないアメリカ映画やフランス映画の数々が、毎週毎週、お手軽に茶の間のテレビで、しかもタダで見られる「洋画劇場」という番組は、当時の映画少年にとってはカルチャーショックに近いものがあったとしかいいようがない。

当時は番組の初めと終わりに必ず、映画評論家の作品解説があった。荻昌弘の妙に気取った解説が印象的だった「月曜ロードショー」、「いゃぁ、映画ってほんとにいいもんですね」の水野晴夫なら「水曜ロードショー」だ。しかし、一番ゴージャスに楽しめたのが「日曜洋画劇場」だった。初放送から50年近くが過ぎようとしているこの老舗映画番組の思い出は数多くある。なぜなら「日曜洋画劇場」を見るひとときは僕にとって至福の時間でもあり続けたからである。

番組の顔、淀川長治さん

僕が「007ゴールドフィンガー」や「史上最大の作戦」を初めて見たのも、オードリー・ヘプバーンの「昼下がりの情事」を見てラブレターを書き始めたのもこの番組だった。また「2001年宇宙の旅」がテレビで初放送されて大きな話題となったのも懐かしい思い出である。

しかし、なんといっても番組の顔は解説の淀川長治さん!ヨドチョーさんの存在を抜きにしては語れない。お話の終わりに言う「さよなら、さよなら」という定番の名セリフは、当時の映画ファンなら誰でも知っていたはずだ。さらに自分がキライな映画や、どう考えても凡作、駄作だという作品の時には、その映画とまったく関係のない映画界の話題を延々と続けるのがすごくおかしかったし、「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」といった日本映画を放送する時は、その姿を見せないという徹底した「洋画評論家」でもあった。その時には番組そのものが「日曜洋画劇場・特別編」という事になってしまったのだが。そして驚くのは、彼の解説だけを収録したDVD-BOXがあるという事だ。映画本編は入っていないのだから、純粋にヨドチョーさんの名調子を楽しむためのアイテムなのである。


  • 007ゴールドフィンガー
  • 史上最大の作戦
  • 昼下がりの情事

心の友「日曜洋画劇場」

今や映画は、DVDに加えてBS、CSと多様な媒体で見られるようになり、すでに劇場で鑑賞するものではなくなりつつある。劇場で見る内容と同じ作品を、いつでも好きな時に好きなスタイルで見ることができるようになったうえにノーカット、ノートリミング、ハイビジョン。さらに特典映像では出演者インタビューやメイキングまで用意されている。こんな時代になり、さすがの僕も「日曜洋画劇場」から遠ざかっていた。映画は劇場で見るというのがモットーだったし、見逃した作品なら別に地上波の洋画番組ワクで見なくても、いくらでも後追いができるというものだったのである。

そんななか、平成10年に淀川長治さんが亡くなった。亡くなる前日に収録した解説はブルース・ウィリスの「ラストマン・スタンディング」だった。後日、番組のワクで大林宣彦監督が追悼番組を作り、在りし日の淀川さんの姿が画面に映し出された。「はい!みなさん、今日は!今日の映画は面白いですよぉ!・・・・・それではさよなら、さよなら・・・・」。そのとたん、自分でも思いがけず、どっ!と涙が出た。地上波で映画を放送する意味が薄れかけていた日々、僕が洋画劇場から遠ざかっていた間も、ヨドチョーさんは、こうして映画の面白さ、楽しさを伝え続けてくれていたのだった。長い間ご無沙汰して音信不通になっていた昔の恩師が亡くなったという事を聞いた時のような寂しさと切なさ・・・。かつて、自分が毎週、ブラウン管にかじりついて見ていた頃の事もあわせて思い出されて、涙は後から後から出てくるのだった。

「日曜洋画劇場」は僕にとっては、やはり一生の心の友だったのである。


  • 2001年宇宙の旅
  • 男はつらいよ 寅次郎純情詩集
  • ラストマン・スタンディング

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